2020年07月10日

『浮世絵尽くし』

 『浮世絵尽くし―横山実の浮世絵随筆集―』を読む。横山氏から送られてきた。
 横山氏は犯罪社会学者でありつつ、浮世絵収集家であり、浮世絵研究家である。その氏が折に触れて書いた随筆を集めた書籍である。
 全92頁という小冊子風ではあるが、上質の紙を用いて、浮世絵がカラーで掲載されている。実に贅沢な書である。
 内容は、浮世絵に関する自分史とイベント開催の追憶記、そしてある浮世絵をその道の専門家が本物として鑑定したことに対しての疑問・批判と、多岐にわたっており、一冊にまとまると読み応えがある。素人の私にとっても、偽であるか否かの論述は推理小説風であり、極めて挑戦的な興味深い内容となっている。
 しかし、もっと贅沢にしていただきたかった。大半の浮世絵が小さすぎる。ここまでやったのだから、さらに、絵の配置を工夫しながら、掲載の浮世絵をもっと大きく提示して、鑑賞にも耐えられるものにして欲しかった。「読む」だけでなく「観る」という本であってほしかった。全150頁くらいになっても、豪華版にしていただきたかった。
 なお、横山氏の解説付きで『横山実所蔵浮世絵』を豪華版で出すのもよいと思う。
 蛇足ながらひと言。誤字脱字が11カ所見つかった。雑誌の編集を長年行なってきているので、悪い癖がついてしまい、ついつい誤字脱字が気になって数えてしまう。ご海容のほどを。(2499)
posted by 矢島正見 at 18:46| 我流雑筆