2020年05月23日

『悪人列伝 古代編』B/4

 元に戻る。『日本名城伝』の主人公は人ではなく城である。城と城主の栄枯盛衰史である。

 以前、テレビドラマに『剣』というのがあった。主人公は剣である。最初のナレーションは今でも覚えている。「この剣には銘がない。だがよく切れる」である。毎回完結のシリーズもので、物語はまったく別々なのだが、剣は同じ。人の手から人の手に剣が渡って、それぞれの物語が展開される。
 『日本名城伝』もまさにこの手法である。

 最初に登場するのは「熊本城」。佐々成政、加藤清正から細川幽斉・忠利。そして話は移り、幕末。谷干城の熊本城と西郷軍との戦いである。
 その間に、さまざまな逸話が挿入されて、時代が描かれており、実に博識のある、読み応えのある読み物となっている。

 この本に感銘を受けた。以来、海音寺潮五郎のファンとなった。ただし、未だに彼の代表作である『天と地と』と『西郷隆盛』は読んでいない。
 また、外れてしまった。元に戻ると言いながら、『悪人列伝 古代編』のことが全く述べられていない。(2482)
posted by 矢島正見 at 11:35| 我流雑筆