2020年04月15日

「接触8割減要請」―新型コロナウィルス対策・その1

 人との接触を8割減らす。そうすれば、2週間後をピークに感染者数を急激に減少させることができる。7割では減少しない。8割減の効果を確認できるのは2週間後になるため、この対策を1カ月程度続けることが必要。
 とのことであり、偉い先生方が、科学的に試算して出てきた結論ということだが、この尺度と、判定方法がわからない。何故なら、尺度や判定は客観的な数値で提示する必要があるからだ。

 一つの尺度は「密接」であり、対人間隔2メールという規準を用いての「接触」判定であろう。ここでは、人との接触が2メートル離れていれば「接触」ではないとなる。
 ということは、通勤のために一定の時間(たとえば30分以上)車内にいる場合には、それは接触を避けることは不可能なので、「接触」となる。車や徒歩での通勤外のサラリーマンの大半は8割減には、相当しないであろう。
 ただし、その人たちも、時差通勤で、普段は平均3人の人と数十センチの接触を行なっているのが、平均1人の人と約1メートル離れての接触に変化するとすれば、「接触時間・距離度数(これは私の用語)」はかなり異なる。この変数は普段の通勤時の車内の接触平均密度を各鉄道会社の総集計と時差通勤した場合の同一の総集計を科学的データとして用いない限り、判定は無理である。「8割」と試算した科学者たちは、ここまできちんと科学的に析出しているとは思えない。

 第二の尺度は「密集」であり、多数の人が集まる場所を避けるという規準での判定だが、上記同様に、今までの多数集まる場所への臨席総人数が明確化され、緊急事態後の臨席総人数が明確化され、両者を比較しない限り、科学的算定は無理である。
 第三の尺度は「密閉」であり、空気の流れという規準での判定も、無数のビルの今までの空気の流れ(言い換えれば密閉度)をすべて数値化し、それがどれほど改善されたかの検査データ数値を得ない限り無理である。

 ということは、今までの人びとの日常活動を想定上数値化し、科学としては客観的かつ精緻的な計測としては不能の三つの尺度で、緊急事態宣言以降の日常生活活動の想定数値を出して、算出した数値結果からの収束値として「8割」が析出されたということになる。したがって、テレビ画面やネットで出て来る、極めて確定的で明瞭な変動曲線も、実は推定上の図である、ということになる。
 結論としては、政治的メッセージを込めた、努力目標を数値というマジックで明確化したキャッチフレーズということと、推測し得るのである。
 要するに、コンサート等のイベントを中止し、夜の風営業・飲食業を自粛させ、必要以外の外出を控えさせるために考案された「科学的!!」数値である。

 ただし、個々人の主観的尺度を用いての計測はいたって簡単である。個々人単位で、自己認識として算出し得るからである。
 つまり、今までの自分の生産・生活活動による接触を10割として、緊急事態宣言以降、接触を自己認識ないしは自己申告を総計すれば、「接触8割減」は、達成されたか否かを、個々人の主観的判断として、判定することができる。
 もちろん、これは、各企業単位の認識でも構わない。「わが社は8割減達成」等々。しかし、この場合でも、企業の主観的認識であることには変わりない。
 おそらく、政府がホンネとして望んでいることは、こちらのほうの達成ではないだろうか。「国民の皆さま、個々人が、そして諸企業が、自信をもって、8割達成したと申告していただきたい」という政府の気持ちなのではないだろうか。(2461)
posted by 矢島正見 at 01:10| 我流雑筆