2020年02月03日

『縄文時代の歴史』@

 『縄文時代の歴史』を読む。一般向けの書ではあるが、かなり高度な内容である。論述の構成も優れており、論考が体系化されている。また、細やかな文献提示がなされている。申し分なく、専門書・学術書である。
 縄文時代と縄文文化の多様性は複雑で理解しがたいが、旧石器時代からの5000年間の移行期(縄文時代草創期)から弥生時代との移行期期までの長い期間での時代・文化の推移がよくわかる。長く見積もれば、縄文時代は1万4千年続いたのである。
 さらに、寒冷期から温暖期にかけての気候変動と人々の暮らしの変容もわかる。寒冷で海面が100メートル下がれば、それなりの自然が出来、人はそれなりの生活をして、温暖で海面が100メートル上昇すれば、それなりの自然が出来、人はそれなりの生活をするものである。
 しかも、温暖化は徐々にやって来るものではない。50年という短期間に、温度が7〜8度も上昇することすらある。これには驚いた。
 現代社会・現代人よりも縄文社会・縄文人のほうが適応力は優れていたということのようである。今の時代、海面が100メートル上昇したら、世界中がパニックに陥る。1メートル上昇するという推定だけで、正義のイデオロギストやマスコミは叫び続けているのであるから。(2435)
posted by 矢島正見 at 21:47| 我流雑筆