2019年03月23日

『古代史試論』

 唐木順三『古代史試論』を読む。論文・随筆集である。
 「第一部」では「仁徳記」「仁徳陵と古事記」「飛鳥寺」が良かった。「第二部」では「言霊と言学」が良かった。あとは難しすぎた。
 一昔前までは、唐木順三のような偉大な知識人がいた(注:当然のことであるが、テレビに出てくる、知名度だけは高い、いわゆる「識者」という類の者とは異なる)。専門の学者でありながら、幅広い教養をもち、スケールの大きな構想を論理的に展開した。
 梅原猛が亡くなった。この人もその中の一人だった。
 しかし今は学問が細分化されてしまい、全体的でかつ学際を超えたスケールの大きさで時代と社会と文化と人間を語る人はいなくなってしまった。
 ひと昔前の時代ではそのような人を必要とし、今は必要としない、ということのようだ。(2335)
posted by 矢島正見 at 00:01| 我流雑筆