2019年01月07日

『放浪記』D/8

 尾道の女学校を卒業すると、好きな男が明治大学に行ったということで、フミコも男を追って東京に出る(19歳)。そして東京で同棲生活を始める。
 しかし、一年後に卒業した男は因島の実家に帰って行く。一年でフミコは捨てられたわけである。行商の親・住所不定の親をもつ女との結婚を男の親が許さなかったのである。息子を東京に留学させるほどの家である。当時では、当然と言えば当然である。
 しかし、フミコは、その後、因島に男を尋ねたり、男に金を無心したりと、うじうじとした未練心が続く。
 男に捨てられたフミコは、その一年後には別の男(俳優)と同棲生活を始める。さらに別れて、詩人の男と同棲する。そこでは、男の暴力に耐え忍んでの生活となる。
 母親同様にフミコも男運が悪い。居住の放浪、職の放浪、男の放浪、そして人生の放浪である。(2307)
posted by 矢島正見 at 17:55| 我流雑筆