2019年01月06日

『放浪記』C/8

 借金を頻繁にする。しかし、返したという記述はめったにない。ほとんど踏み倒したのだろうか。
 男と離れたり引っ付いたり、イライラするほどにグジグジ・イジイジしている。殴られても、蹴られても、男と離れられない。男が詩人というだけのことで(ただし、肺結核の貧乏の、全く無名の若い「自称詩人」である)。今ならばDVであり、加害者の男も被害者のフミコもDVの心理そのものである。
 18歳から23歳までの放浪。一か所にいられることが出来ない性格。一つの仕事がひと月も持たない性格。かろうじて、カフェの女給だけは、手当てが良いのか、酒飲みだからか、若いということでちやほやされるからか、幾分は長く続く。
 ただし、詩を書くことだけは持続している。やはり、詩人を夢見る少女の人生行路である。惚れた男に対してはDVであろうとも、しがみついていく生きざまである。(2306)
posted by 矢島正見 at 00:36| 我流雑筆