2018年12月27日

『放浪記』@/8

 林芙美子の『放浪記』を読む。「第一部」「第二部」「第三部」のすべてを。
 「第一部」は昭和5年7月。人気を博し、同年11月「第二部(続放浪記)」が発行される。ここで、「フミコ」は「芙美子」となり、女流作家となり、ようやく生活も安定する。「第三部」は検閲を恐れて昭和24年に出された。
 『放浪記』は、林フミコが大正11(1922)年から大正15(1923)年のおよそ5年間に書いた日記に基づいての自伝小説である。フミコ(のちに「芙美子」)、満で19歳から23歳の日記である。ただし、その日記は現存していないという。芙美子自身が焼き捨てたものと思われている。
 第一部・第二部・第三部は、時系列的には同じ5年間であり、同一の日記の抜粋個所等が異なっているだけだという。
 第一部よりも第二部のほうが具体性が増していく。第二部よりも第三部のほうが赤裸々になっていく。リアリティが増し、その点、読みやすくなっている。例えば、大宮の土手で、実母がウンコをし、フミコもついでに小便をする。面白い場面だ。(2302)
posted by 矢島正見 at 11:30| 我流雑筆