2018年09月20日

『土』@

 長塚節の『土』を読んだ。今まで、二度読むのを挫折した本だ。同じように挫折したのは、この本を高く評価した夏目漱石の『草枕』だ。『草枕』は、数年前、三度目に挑戦して読了した。今回は『土』に挑んだ。
 異色の小説である。『草枕』よりはいくらか物語性はあるが、とにかく読むのが苦しい。漱石自体そのように言っているのだから、私が苦しいのは当然である。
 漢字・仮名遣いがわからない。方言がわからない。起承転結がない。しかし、『草枕』よりも、記述が生き生きとしている。理屈だけの小説ではない。自然の世界と人々の喜怒哀楽の世界が混然一体となって、なんの変哲もなく話は進んでいく。
 二十八節が、小さなエピソードを物語として、結局は、元の生きていくしかない日常へと戻っていく。(2269)
posted by 矢島正見 at 12:37| 我流雑筆