2018年04月06日

『戦前日本のポピュリズム―日米戦争への道』

 面白い本を読んだ。私が思っていたことを実に的確に論述してくれている書である。
 新聞がいかに国民をある一定の方向へと煽り、野党が議会にて政府攻撃の材料としていかに利用し、政府も国民迎合の政策へと舵をとり、軍部ですら国民迎合に乗り政治力を強化させていった、という近代史が書かれている。
 本書は、日露戦争講和条約(ポーツマス条約)締結批判の大衆暴動から書き始められている。「勝った、勝った」と叫ぶ国民、それを煽る新聞。実際はこれ以上続けたら絶対に負ける、したがって負けないうちに終戦締結をしなくてはならなかった政府。煽る新聞・叫ぶ国民に対抗する政府。これがその後の日本史でどのように崩れていったかを、大政翼賛会・日独伊三国同盟までが書かれている。
 ここでは、戦犯は天皇でも大資本でも軍部でもない。新聞・ニュース映画・ラジオと国民である。
 今の新聞・テレビ、今の国民、今の政党もほぼ同じである。(2206)
posted by 矢島正見 at 21:45| 我流雑筆