2018年03月08日

坂口安吾『肝臓先生』

 織田作之助と決定的に異なる小説だ。伊豆の伊東温泉の漁村での話であり、伊東の漁村と漁師が描かれているが、織田の描写とは対照的に、具体性がきわめて薄く、精神性中心の描写である。また、反戦主義そして宮沢賢治ばりの人道主義が貫徹されている。
 ただし、読んでいて面白い。小説としては上出来だ。
 この単行本の中では、『魔の退屈』と『肝臓先生』を押す。他は読むほどのものではない。(2193)
posted by 矢島正見 at 11:42| 我流雑筆