2018年01月28日

織田作之助『放浪』

 二人の兄弟の人生行路である。重苦しい人生を喜怒哀楽もなく淡々と書き進めているところがいい。モームのように感情を大げさに書いていくよりも、こうした書き方のほうが、私としては悲惨さが伝わってくる。
 『夫婦善哉』よりも、こちらのほうがイライラせずに読める。『夫婦善哉』は、男のだらしなさにもイライラするが、それを支える女にもイライラさせられる(2169)。
posted by 矢島正見 at 15:52| 我流雑筆