2016年05月15日

竹内洋『革新幻想の戦後史』

 『革新幻想の戦後史』の著者は竹内洋氏。私の尊敬する研究者の一人だ。そこで『革新幻想の戦後史』のこぼれ話を二つほど。
 一つ目。牧野巽氏も清水幾太郎氏も清水義弘氏も戸田貞三氏の門下生であった。星野周弘氏は牧野巽氏の門下生。その関係で那須先生と懇意だったのだと判明した。星野氏と私はともに戸田門下の孫弟子ということになる。
 二つ目。『革新幻想の戦後史』でなるほどと思ったところがある。第一次世界大戦で悲惨さを心底味わった欧州は平和主義・人間主義が台頭する。ワイマール憲法がそのよい例である。ところが、それが結果としてヒットラーの台頭を許容することになる。第二次世界大戦後の欧州は徹頭徹尾現実主義路線を歩んだ。ソビエトの覇権主義を警戒した。
 ところが日本は第一次世界大戦の悲惨さを経験していない。そして第二次世界大戦の悲惨さを経験する。そこで、第二次世界大戦後に第一次世界大戦後の欧州と同じ平和主義・人間主義路線が台頭する。資本主義は悪・社会主義は善・という理解がなされ、ソビエトの覇権主義に対してさえ人間解放の社会主義という解釈がなされる。
 とまあ、こんな内容である。(1944)
posted by 矢島正見 at 12:11| 我流雑筆