2012年07月25日

言葉の不思議 A「糞」

 「ふん」のことを「くそ」という。どちらも「糞」と書く。ということは、「糞」と書かれていたら、どちらで読んでも良いということだ。「その後」を「そのご」「そのあと」と、どちらでも読めるというのと、同じ。
 ただし、「ふん」の場合は、人間だけでなく、他の動物にも使われるが、「くそ」の場合は、人間だけのようだ。「鳥のフン」とは言うが「鳥のクソ」とはあまり言わない。
 「人糞(じんぷん)」とは言うが「人糞(じんくそ)」とは言わない。「糞(くそ)」は人間にだけに用いるので、あえて「人糞(じんくそ)」という必要性がないわけだ。
 糞(ふん、くそ)のことを「うんこ」と言う。辞書を見ると、「<幼児語>「うん」はいきむ声、「こ」は<接尾語>。大便、うんち」となっている。これはよく分かる。確かに「いきむ声」だ。
 「うんち」を辞書で引いたが、出てない。ということは、「うんこ」のほうが正式なのであろう。「うんち」は「うんこ」をさらに幼児語化したものなのではないだろうか。もしそうであるなら、乳児の場合は「うんち」、幼児・児童の場合は「うんこ」ということか。
 もしかすると使用地域の違いかもしれない。「うんこ圏」と「うんち圏」がかつてあったのかもしれない。西日本は「うんち」、東日本は「うんこ」とか。(1331)
posted by 矢島正見 at 12:46| 我流雑筆