2005年07月10日

徒然自分史(2)鼻@

 子どもの頃から蓄膿症だった。で、「におい」というものがよく分からなかった。
人が「いい匂い」と言っても、「そんなものなのかなー」と思うことが多く、また「臭い」と言っても、やはり「そんなものかなー」と思うことが多かった。
理科の実験で、アンモニアをかがされたときも、みんな「臭い、臭い」と言っていたが、私にはさっぱり分からなかった。
高校1年の夏、蓄膿症の手術をした。そしてそのあとで、「におい」というものがどんなものであるか、実感した。
食べ物それぞれににおいがあったのだ。人間を含めて、生きているもの、動物も植物も、みなにおいがあったのだ。桜の花にも梅の花にも野の草にも、スイカにもきゅうりにも、においがあったのだ。これは新鮮な驚きであった。
それまでは、強烈な臭いがするものだけににおいがあると思っていたのである。
「ほのかな香り」の発見であった。
posted by 矢島正見 at 00:00| 我流雑筆