2020年07月16日

『ビギナーズ 犯罪法』

 守山正・安部哲夫編著『ビギナーズ 犯罪法』(2020)を読む。全500頁ほどの充実した書となっている。
 守山氏は、実に精力的に活躍している。守山正・安部哲夫編著『ビギナーズ 刑事政策』(2008)、守山正・後藤弘子編著『ビギナーズ 少年法』(2009)、守山正・小林寿一編著『ビギナーズ 犯罪学』(2016)、そして今回の書である。「ビギナーズ」シリーズは、これからも出されるのであろうか。

 『犯罪法』とは、聞きなれない用語であるが、「第1講 「犯罪法」総説」を読むと、なるほど、と納得がいく。英米法の「criminal law」は確かに「刑法」ではなく「犯罪法」である。「刑法」は「penal law」のほうが適切であろう。そんな風に思えてしまう。
 『刑法各論』を、本書のように「penal」ではなく「criminal act」に視点を当て、類似の犯罪類型を構成して、それに該当する多くの法律から同一類型の犯罪を論考する、というスタイルは、今までとは異なった趣を与えている。
 読み応えのある、それでいて、意外に読んでしまう、面白い一つの試みである。しかし、「刑事政策」でもない「犯罪学」でもない、やはり「刑事法」の書である。(2501)
posted by 矢島正見 at 13:10| 我流雑筆