2020年07月03日

『近代都市下層社会 T U』

 草間八十雄著・磯村英一監修・安岡憲彦責任編集『近代都市下層社会 T U』を読む。
 『近代都市下層社会 T 売笑婦、寄子、被差別部落、水上生活者』(1990年)、『近代都市下層社会 U 貧民街、浮浪者、浮浪児・貧児』(1990年)、全二巻・総頁数1492頁。

 『近代下層民衆生活史 T U V』の続編である。今回は、復刻版ではなく原本を編集し直してあるので、きれいな活字であり、新漢字・新仮名使いなので、読み易かったが、字数が詰まっているので、文字数からすれば、『近代下層民衆生活史』とほぼ同じである。
 内容が多分に重なっているが、こちらのほうでは新しいデータも含まれており、今までのデータの積み重ねで論じられている。
 基本的な知識は既に『近代下層民衆生活史 T U V』で理解していたし、大まかなデータと時代状況が分かっていたので、本書は復習・再理解ということで、新しい発見はさほどなかったが、理解を深めることでは最適であった。

 最初に読んだ『近代日本のどん底社会』は、これら全三巻と全二巻とを合体させ再編集した、面白いところ取りの書籍だったのだ。

 この草間八十雄の全集は、ぜひ読みたいと思いつつ、とても手が出ず、どうしようもなく、放置していたものであるが、『社会学としての犯罪社会学』の執筆を完成させたので、ほっとして、しかも、新型コロナウィルスの騒ぎで、家でゴロゴロしていなくてはならなくなったので、「それならばいっそのこと、この間に読み切ってやれ」とばかりに、読み始めたのである。
 この時期、時間ができたならば、その時間を無駄にせず、日頃できないことを大いにやるべきである。特に高校生や大学生は。もし、私が高校生で、この時期に直面したとしたら、日本文学全集全巻を読み切る、といった考えに囚われたのではないだろうか。

 なお、読み始めたのは4月18日、読み終えたのは6月5日。ほぼ50日間かかった。約4000頁を50日間なので、平均一日80頁である。もちろんその間、いろいろな雑務に追われている。(2497)
posted by 矢島正見 at 12:37| 我流雑筆