2019年02月12日

『若い詩人の肖像』@/4

 伊藤整の『若い詩人の肖像』を読んだ。
 有名な作家であり文芸評論家ではあるが、伊藤整の作品は詩も小説も評論も読んだことがなかった。『チャタレイ夫人の恋人』の訳者であり、『女性に関する十二章』の筆者ということくらいしか知らなかった。
 『チャタレイ夫人の恋人』は以前途中まで読んだが、最後まで読んだという記憶はない。忙しくなって途中で止めたのかもしれないが、思ったほどエロくはなかったということが止めた第一の理由だと思う。この小説のどこが猥褻なのか分からなかった。まさに、「猥褻」などという刑法概念は時代の産物である。
 しかし、井上章一の『愛の空間』で、伊藤整の『若い詩人の肖像』が取り上げられていたのは、はっきりと記憶している。そこでは、小樽高等商業学校の学生だった伊藤整が女子高生と性交する場が、夏から秋にかけては野外にいくらでもあったのだが、冬になると雪が積もり寒くて場所がなくなり、仕方なく蕎麦屋の二階でやった、ということが書かれているのである。小樽という地域、そして蕎麦屋の二階と、読んでいて実に納得した。(2320)
posted by 矢島正見 at 22:21| 我流雑筆