2018年10月08日

『土』G(完)

 さらになお、汚いことが書かれてあってもよかった。エロとグロである。
 ウジ、蝿、蚊、毛虫、蛾、百足、げじげじ、イモリ、ヤモリ、蛇、等々。便所の汚さ、糞のこびりついた尻をした子供、全身皮膚病でただれた肌をした老人、栄養失調で下痢ばかりしている人、そんな汚い人々を描かなかった。
 野外での男女の小便、野糞や野外での性交の描写もない。
 特に祭りの夜の村の若い者たちの性的描写や念仏行事でのじいさんやばあさんたちの猥談話などあってもよかった。民俗学者の宮本常一のように。
 その点では、長塚節は真面目過ぎたのであろう。品が良すぎたのであろう。生れが良すぎたのであろう。(2277)
posted by 矢島正見 at 17:07| 我流雑筆