2018年09月07日

『若山牧水』I

 その間、牧水は雑誌創刊に狂ったようにはまっていく。資金なし・出版技量なし・そして経営能力なし。雑誌はほとんど創刊号で廃刊。にもかかわらず、それを十回ほど繰り返している。
 二人で食う・飲むだけなら短歌や紀行文の原稿料・印税だけで生活できただろうが、何故か雑誌の出版に情熱を傾ける。まさに「殿、ご乱心」である。
 大正の後半から昭和初期にかけて、資金を捻出するために、全国を駆け巡る。「牧水来たる!」ということで「半折短冊揮毫会」が開催される。揮毫行脚の旅であり、既に魂の流浪ではなかった。まさに、江戸時代の一茶であった。資金集めのためのお得意様への出張である。
 そして、昭和3年9月、43歳で亡くなった。長く生きてなくてよかったと思う。(2266)
posted by 矢島正見 at 01:27| 我流雑筆