2018年09月05日

『若山牧水』H

 小枝子、牧水の最初の女。一歳年上の女。牧水好みのタイプだったという。しかし、小枝子は結婚しており、二人の子どもがいた。
 ここから「流浪する魂」が始まる。館山根本、甲州から信州。小枝子との五年間の逃避行である。五年間の苦しみが始まる。明治末のことだった。秀逸の短歌はこの頃に多い。
 二人目の女、五歳年下の女、そして妻、太田喜志子。誘い出し、家出をさせて、同棲する。新宿二丁目の二階の下宿。明治末年・大正初年のこと。
 しかし、正式に結婚(婚姻届け)するのはしばらくたってからのこと。結婚式も何もない、親にも知らせていない。喜志子にとっては日陰の女としての生活の始まりだった。喜志子は牧水の酒を買うために内職(和裁)をした。
 この辺の大岡の筆はすごい。牧水の生活のすごさがそうさせているのだろう。(2265)
posted by 矢島正見 at 11:21| 我流雑筆