2018年03月08日

坂口安吾『肝臓先生』

 織田作之助と決定的に異なる小説だ。伊豆の伊東温泉の漁村での話であり、伊東の漁村と漁師が描かれているが、織田の描写とは対照的に、具体性がきわめて薄く、精神性中心の描写である。また、反戦主義そして宮沢賢治ばりの人道主義が貫徹されている。
 ただし、読んでいて面白い。小説としては上出来だ。
 この単行本の中では、『魔の退屈』と『肝臓先生』を押す。他は読むほどのものではない。(2193)
posted by 矢島正見 at 11:42| 我流雑筆

坂口安吾『行雲流水』

 これは落語である。年若い「パンスケ」の話だが、安吾流新作落語である。和尚さんとの対話がいい。深刻なようでいて、大いに笑える。やはり落語である。(2192)
posted by 矢島正見 at 11:40| 我流雑筆

坂口安吾『ジロリの女』

 安吾の中編小説である。出来は良くない。女には「ジロリの女」とその他に分けられるようだ。その他とは、私が思うに「二コリの女」と言ってよいだろう。
 三人の女をものにしようという男の涙ぐましい活躍物語であり、会話体のストーリーと独白体の観念が入り混じってのストーリー展開だが、退屈である。(2191)
posted by 矢島正見 at 11:37| 我流雑筆