2017年08月06日

以前の記述D 万引犯の画像公開は「自衛」か「人権」か

万引犯の画像公開は「自衛」か「人権」か…専門家「人権侵害」の見方に小売業界反論(産経新聞 2017/2/20(月) 8:19配信)

万引犯とみられる画像を店が公開した事例(写真:産経新聞)
 万引被害を防ぐため、犯人とみられる画像を公開することは許されるのか。今月、各地の小売店が「万引犯」として防犯カメラ画像を公開していたことが相次いで判明した。専門家は名誉毀損(きそん)や人権侵害に当たると指摘する一方、薄利多売の傾向が強い業界の「苦肉の策」として心情的に理解できる側面もある。万引は警察に届け出があったものだけで年間11万件にも上る。それも氷山の一角とみられ、業界では常習犯の「ブラックリスト」をつくる動きまで出てきた。
 ■「死活問題だ」
 「個人的には言いたいことは山ほどあるが、今は何も話せない」
 今月上旬、万引犯とみられる人物の画像を店内に張り出していたことが明らかになった神戸市中央区の「セブン−イレブン」の店舗。画像を公開した意図について、男性店長はこう繰り返した。画像は顔をぼかす処理をしておらず、万引犯であることを示唆するように「全て見てますよ」と注釈を付けていた。
 その少し前には、千葉市中央区の「ファミリーマート」の店舗が、不審な動きをした男性客の画像に「万引犯です」と説明書きを加えて店内に掲示していたことが判明。眼鏡販売店チェーン「めがねお〜」の運営会社は東京都台東区の店舗で写した同様の画像にモザイク処理をしてホームページに掲載し、弁償に応じない場合はモザイクなしの画像を公開すると警告した。
 同様の騒ぎは過去にも繰り返し起き、その度に法務局が中止を要請するなど議論を呼んでいる。
 平成26年には25万円相当のブリキ製人形の万引被害に遭った古物商「まんだらけ」(東京都中野区)が顔写真の公開を予告したが、警視庁の要請で中止した。店側は当時、「万引は死活問題。自衛の手段だった」と説明した。
 ■社会秩序の混乱も
 近畿大法学部の辻本典央(のりお)教授(刑法)によると、防犯カメラ画像を個人が特定できる状態で万引犯として公開した場合、真犯人かどうかにかかわらず、名誉毀損罪が成立する可能性が極めて高い。被害弁償しなければモザイクを外すという警告も、強要罪などに当たる可能性があるという。
 辻本教授は「店側の切実な思いは理解できるが、法的には『やられたらやり返す』という私的制裁は許されない。店側は被害に遭ったときには司法手続きにのっとって被害を申告すべきだ」と指摘する。
 違法な権利侵害に対し、私人が法の定める手続きによらずに自力で権利回復を図る行為は、司法手続きが十分に整備されている以上、刑事・民事上では社会秩序の混乱を防ぐ観点から原則禁じられている。権利侵害の内容や切迫性によっては例外的に許容されるケースもあるが、基本的には警察の捜査という公的手段に委ねるしかないのだ。
 ただ、小売業界内では「万引件数が多すぎて、警察も簡単には動いてくれない。被害を訴えてもまったく抑止力にならない」(大手書店チェーンの従業員)との不満がくすぶる。
 ■4千億円以上の被害
 警察庁によると、28年の万引の認知件数は約11万2700件。ただ、在庫を確認して初めて被害が判明するなど警察に届けていないケースも相当数あり、約200の業界団体や小売店などでつくるNPO法人「全国万引犯罪防止機構」(東京都新宿区)は、被害額は年間4千億円を超えると推計している。
 「ルール違反を承知で画像を公開したい気持ちになることがある」。大阪府茨木市でコンビニを経営し、昨年10月から3カ月間で約25万円相当の商品を万引されたという男性(25)はこう話し、「自前で抑止するしかない中、きれいごとでは被害は防げない」と訴えた。
 機構では、万引常習者の顔写真をデータベース化し、公開でなく、事業者間で共有する構想を進めている。「ブラックリスト」をつくることで常習者を特定しやすくする狙いだ。
 中部や近畿などで「三洋堂書店」を展開し、機構の理事も務める「三洋堂ホールディングス」(名古屋市瑞穂区)の加藤和裕社長(56)は「個人情報保護法との兼ね合いなど課題も多いが、被害抑止を後押しするような解決策を提示したい」と話している。

 今のところ日本では、公開は規制されている。しかし、電車の痴漢などでは、「こいつが犯人」という映像の投稿が出てくるのは時間の問題かもしれない。そういう風潮を国がマスコミが十年以上前から創り上げたからである。
 また、全世界がネット社会時代に突入している。南米やアフリカ等で、画像が公開されるということは十分あり得る。いや、もう既に行われているのかもしれない。(2115)
posted by 矢島正見 at 09:20| 我流雑筆