2017年08月01日

以前の記述C 「若者の反乱が世界に連鎖した」

NHKスペシャル 新・映像の世紀「第5集 若者の反乱が世界に連鎖した」(放映:2016年2月21日(日)午後9時00分〜午後9時50分)

 若者の反乱史を肯定的に描いたドキュメンタリー番組である。世界中に連鎖した若者の反乱が世界を変えた、というストーリーであり、その最高の盛り上がりが東西ドイツ分断の崩壊である。
 しかし、ここに出てきた映像だけでも、若者の反乱は時代を過ぎた時点で見ていけば、プラスだけでなく多くのマイナスが含まれている。
 チェ・ゲバラの革命闘争はマイナス、中南米は未だにその後遺症を引きずっており、国内の不安定要因となっている。
 毛沢東の文化大革命も大きなマイナスであった。
 ベトナム戦争でのベトナム人の抵抗、世界各国、とくにアメリカでの反戦運動はプラスであった。
 パリの五月革命の学生運動はプラス・マイナス・ゼロ。
 東ドイツ崩壊・社会主義東欧陣営の崩壊・ソビエト連邦の崩壊はプラスであった。
 天安門学生反乱事件は弾圧された。これは「第5集 若者の反乱が世界に連鎖した」のなかで描かれた唯一失敗した事件だ。もし成功していればプラスであったろう。

 我が国に限定して考えてみると、次のようになるのではないか。
 幕末の若者(下級武士)の反乱はプラス。これが中高年(上中級武士)主体の改革であったならば、急激な変革は無理だったろう。
ただし、その後の日本が帝国主義化し植民地獲得競争に走っていったことを考えると、幕末と明治維新は単純にプラスとは評価し得ない。
 幕末の反乱の延長線上で行き着いたところが日清戦争であり、日露戦争である。この二つの戦争に関しては、大半の日本国民は肯定的であるが、私はそうは思っていない。既に帝国主義、植民地獲得競争に日本は突き進んでいた。
 そしてその延長が昭和初期の若者(下級将校)の反乱であり、マイナス。日本の崩壊を招いた。
 戦後の学生運動は60年代も70年代もマイナス。

 以上、若者の反乱は、プラスのこともあればマイナスのこともある。また、穏健な若者の時代もプラスのこともあればマイナスのこともある。時代はそんな単純ではない。(2114)
posted by 矢島正見 at 10:15| 我流雑筆