2015年08月07日

「『日本海軍の興亡』からの近代日本戦争史雑考」その25

 老兵は語らず、という教訓を打ち破ったのが、未だ生きていた東郷平八郎であった。東郷は五対五対三の軍縮を受け入れたことに激怒し、大反対の発言をする。神格化された人物の発言は、軍人のみならず国民への影響も大であった。
 東郷は戦術家であり、戦略家ではない。戦争は生産力、資源力、財力、技術力、外交力、兵力、民力の総合であり、その総合から導き出される中長期の対外的駆け引きが戦略であり、兵力・軍事力から戦場の状況に応じて導き出されるのが戦術である。
 所詮東郷は戦術家であるにすぎないのに、神格化されてしまった彼は、彼自身戦略の能力がさほどないのをボケて忘れたか、害のある存在と化してしまった。乃木将軍のように自害していたほうが、日本史としてはよかった。(1814)
posted by 矢島正見 at 10:55| 我流雑筆