2005年11月07日

ひったくり

 私の教え子の女性がひったくりに会いました。
犯罪学の論述の中には、ときに「ひったくりごとき」と、軽視する見解が見られますが、ひったくられた人にとっては大変なことです。
「バッグをひったくられる」ということは、「金を盗られる」とはまったく異なります。
家の鍵、免許証、身分証、各種カード、携帯、手帳、等々、生活上きわめて重要な意味を持つものが盗まれるということです。
したがって、一度ひったくりに遭うと、家にいること自体が恐怖となります。ひったくりの犯人は、免許証や身分証で自宅を知ることが出来、そして鍵を持っているのですから。
身分証では勤め先まで知られてしまいます。こうなると、怖くて会社にも行けなくなります。
免許証を盗まれれば、裏金融で金を借りられる危険もあります。
携帯や手帳を悪用される危険もあります。
こうした危険を防ぐには、警察に連絡する、各種のカード会社に連絡する、携帯の通話を止める、家の錠を替える、友達・知人に被害を知らせる、等々と、膨大な労力、時間、費用がかかります。
そして、その間、恐怖におののいていなくてはなりません。
金だけ盗って、あとはバッグごと、家の前に置いておく、そんな気配りのひったくり人なら、「たかがひったくり」と言えるでしょうが、それはあり得ないことです。
いま、彼女は恐怖に震えていることと思います。
posted by 矢島正見 at 00:00| 我流雑筆