2003年01月18日

日本犯罪社会学会の自分史(3)

 那須宗一編集長の下3年間編集委員をした。当時はまだ査読委員という制度がなく、編集委員が分担で投稿原稿を査読していた。
ある投稿論文で、二人の委員の意見が正反対となった。それが朝倉京一先生と宮澤浩一先生。二人とも知る人ぞ知る、大物大先生である。
一方は掲載可、今一方は掲載不可。その時委員長の那須先生が、「矢島君、君はどうだい」と、私に意見を求めてきた。
私は全ての論文を読んでいたので、当然その投稿論文も読んでいる。また、二人の先生以外その投稿論文を読んだのは私しかいない。そんなわけで、那須先生は私に意見を求めてきたわけであるが、私はビックリ。
私は雑用担当で、査読などおこがましく、考えたこともなかった。まして、二人の大先生の見解が別れている最中、私のような大学院生が意見を述べるなど、もうパニックである。
しかし、指名された以上述べなくてはならない。そして私の見解によってはその投稿論文は採用にもなるし、ボツにもなる。
で、結局、基本的に肯定的な意見を述べた。この意見に二人の大先生も同意し、修正の上採用ということで、メデタシメデタシとなったが、大先生と同格に扱ってくれた、那須先生には、数時間後、ようやく感謝感激であった。
それからは、いつ意見を求められてもいいように、自分の意見をメモしておくことにした。そしてこの訓練が、自分の論文を書くにあたって実にためになったのである。
posted by 矢島正見 at 00:00| 我流雑筆